San Rafael Twilight Criterium
7月25日(土)
カリフォルニア遠征3日目にして初レースの日がきた。
このレースは全米クリテリウム・チャンピオンシップシリーズのうちの一戦であり、今回の遠征最大の大会。
サンラファエルという街の市街地の中に設置された、1周7〜800mほどの長方形のコースを75分間周るトワイライトクリテであり、夏でまだ陽の沈まない夜8時にスタートし、暗くなる9時ころにフィニッシュを迎える。
アメリカでのレースを走ったことのない自分は果たして高速で、コーナーもペダルを回しながらガンガン踏んでいくようなレースを走り切れるのかという不安と、ついにここでレースに参加できるのだという喜びが入り交じった気持ちで会場へ向かう。
レース5時間程前に到着し秋田監督とコースを周って確認したり、タコスを頬張ったりしながら時間をつぶす。
3時間前くらいから軽く脚回しに行く。走っているとイヤな疲れなどはなく調子がよさそう。ただ口に出すと案外ダメだったりするので心に留めておく。
1時間程軽く走り車に戻り、レースに備えてパワーバー的なものを食べる。
会場では女子のpro/1/2レースがやっており、すでに盛り上がり始めている。
自分も着替えて少しアップをする。ローラーはないので車のいない立体駐車場の上の方をグルグル回って体を温める。
スタート10分前、コースに入りスタート位置に並ぶ。うまいこと入れず最後尾周辺に並んでしまう。前で走らなければいけないレースで後方にいるのは大きなミスであり反省しなければならない。
前方ではシード選手たちがMCに紹介され、超絶スタイルのいいレースクイーンに腕を組まれ並んでいく。なんて羨ましいことか...
このレースのMCも日本とは比べ物にならないくらいイケイケで、レースが盛り上がるのも半分は彼のおかげかもしれない。
そうこうしてしているうちに遂に時間がきてレーススタート。
ローリングではなくドンスタートで、全員がフルもがきで1コーナーへ。長方形コースで1,2コーナーの間は短いが、そこは軽い登り気味。
前方では集団をふるいにかけようとする選手たちが全開で牽いていくため一列棒状。後ろではマズイと分かっていつつもどんどん抜かれていき最後尾周辺に。
前の方に目を向けると、「無理や」と言っていた秋田監督がいるではないか!
「秋田さんより先に終わるのか?」
「2年前走った服部さんの練習日誌では15分で下されたとあったけど、それもあり得る」
とかが頭をよぎるも、ヒラヒラしてはおれず前へ上がろうとする。
3周目に前方にいた秋田さんが明らかにキツそうに降ってくる。そして数周後には着替えて沿道から叫んでいるから驚いた。
コーナーはブレーキなど掛けず速いスピードで突っ込んでいく。特に3コーナー前から4コーナーに向けて下りになっているため凄いスピードで回っていく。ただ前の選手に合わせ、自分のラインを保持すればよっぽどでなければコケないので大丈夫。
しばらくするとペースが緩む。時計を確認すると15分経過している。
前方では相変わらずアタックが起きては吸収されてを繰り返しているが、このレースでそれに参加できる余裕はない。
レースも半分も過ぎると慣れてきて休む余裕もできてくる。
集団内にはレース前You Yubeで見たこのレースの動画に映っていた選手や、スタート前シードで呼ばれてた選手がいる。そういった選手はやはりうまく、後ろに張り付いて走っているとこちらも楽に走れる。ただうまい分スルスルと選手達の間を抜けて行ってしまい、技術の劣る自分はついていけないことも。
終盤、75分のレースもラスト12周回と表示が出る。
ここから最後への位置取りでペースが上がる。ついていくのがやっとのスピードで、コーナーもより速くタイトに。
なんとか前に行こうとするもハイスピードの一列棒状を上がっていく力はなく、ラスト1周半で脚はいっぱいになってしまいゴールスプリントには絡めず。
フィニッシュした後はコース脇からは観客がハイタッチを求めてくる。
日本ではこんな経験はないのでスター選手にでもなったような気にさせてくれる。
何も残せていない選手をも称え、労をねぎらってくれるのはとても嬉しい。
結果としては、一つ目標にしていたこのレベルのレースを完走できたことは良かったが、高速域での持続、トップスピード、コーナリングの技術等すべてで劣っていた。
しかしレースから得れる経験値は非常に大きく、今回得たものと反省点をこれからのアメリカでのレースで生かしていき、最後レースのころにはには成長していれるようにしたい
ゴール後何よりも嬉しいことが。
昨年末カナダのトラックレースに同伴して行った時に出会ったダニエル・ホロウェイ氏に再開。
彼は全米クリテリウム・チャンピオンシップシリーズの昨年の覇者で、アメリカではスター選手。
そんな彼が、僕が話しかけに行った瞬間に「オオオオ!!」とすぐに気づいてくれた!
年間に何人もの人に会っているだろうスター選手に、なんでもない日本人の大学生の選手をしっかり覚えていてくれて話せたことにはとても感動。
また今回現地にお住いの日本人夫婦がレースを観戦しに来ており、応援をして頂きました。
異国の地で日本人の方に応援して頂けるのはとても心強く有難かったです!
そして毎回のアメリカ遠征でお世話になっている中村さんにも応援にきて、写真も撮って頂きました。ありがとうございました。