明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。


さて、年の瀬が押し迫る12月24日に明石さん、安田、樋口の3人でカナダに向かいました。27~30日にBritishcolombia州のBurnaby Velodromeで行われたBurnaby 4day track raceに参加するためです。ヨーロッパで行われる6日間レースを短縮したようなものです。参加選手はグランツール全てでステージ優勝をしているTyler Farrarを始め、USプロクリテ優勝のDaniel Hollowayなど強豪選手が集まり、まさしく世界レベルの大会でした。
レースは1日にマディソンが2レース、マディソンTTが1レース、個人がそれぞれ1レースというのを4日間連続で行い、総合成績を決めるというものでした。とても長いですがご容赦ください。



1日目
2×50 chase 100laps 順位:9/9位
最初はchaseという種目。ルールがよく分からなかったですが、今回の場合は50lapに1度ポイントのようなものが付くマディソンのような競技なようです。夜7時からバンクを回りながら選手紹介が行われ、そのままレースが始まりました。マディソンのレース経験は全日本学生トラックしかないため、上手く噛み合わずに交代ミスを何度もしてしまいました。このレースに関しては特に書くことがありません。強いて言えば、落車せずに安全に最後まで走れてよかったです。

200m madison TT 順位:9/9位?
名前の通り、ハロンをパートナーを投げて行います。前の人は上で回るときに風避けになり、さらに後ろの人を投げます。後ろの人は投げられてから全力で走るだけです。今回は自分が後ろで走りました。参考映像(1km madison TT) http://youtu.be/1TbHcRd9wZE
Burnaby Velodromeは1周200mなので1周の計測です。これもまだ慣れておらず、12秒ちょっとという一人で走った方が速いタイムを出してしまいました。

50laps to Belgium win&out 順位:5/9位
個人種目はAとBに分かれていて、自分はBだったのでこの種目になりました。50周した後に、"ベルギー式"のwin&outを行います。この"ベルギー式"というのが1回目のベルが鳴った後に先頭通過した人が5位、2回目のベルが鳴った後に通過した人が4位……というようなレースでした。しかし、自分がルールを知るために見た動画は"オランダ式"だったらしく、1回目のベルが鳴った後に通過した人が1位、2回目のベルが鳴った後に通過した人が2位というように"ベルギー式"とは逆のようなルールでした。そうとは知らずに1回目のベルが鳴る前に3人で逃げを決めます。そのまま先頭通過して、勝ったのかと思ったら5位でした。ルールをしっかりと把握しておくべきでした。

7×20 madison 140laps 9/9位
140周のマディソン。自分達にとってはただの地獄でしかありません。自分がある程度上手くいっているのに対して、安田が怖がって集団内に飛び込んで来れないのにフラストレーションを感じ、怒りをぶつけてしまいました。今考えれば、怒ったところでなにもならないですし、二人の成長にも繋がりません。すみませんでした。


2日目
60 laps to 3×20 chase 120laps 順位:9/9位
この日は前日の課題を少しずつ克服していこうという話し合いをしてから走りました。しかし、1日で劇的に変わるわけもなく、一瞬で千切れて何度もラップされました。しかし、1日目よりは少し成長したという実感がありました。

scratch 60laps 順位:2/9位(実質3位)
個人種目では太刀打ちできると信じて望んだスクラッチ。同じ組にTylerやDanielがいるのでスプリントでは勝ち目がなく、逃げ切りを目指してスタートしました。数周してからアタックして抜け出します。誰か付いてくるかと思いきや、誰も来なかったので単独ラップを目指して逃げましたが、半周ちょっと差がついたところで集団とペースが一緒になってしまいました。15周ほど逃げてから吸収され勝負どころに備えました。また数周して3人ほどの逃げに乗りましたが、これも吸収。カウンターで行ったドイツチーム?が単独ラップ。スピードが段違いでした。残り数周でどこかのチームが単独アタック。確実に決まりそうだったので、前が先頭交代で上がったタイミングで全開で踏みました。集団は総合争いの関係で牽制状態になり運良く逃げ切りましたが前には追い付けず2位でした。通常のスクラッチなら3位ですが、ラップ数は総合成績に直接反映されるようなので2位となりました。

1km madison TT 順位:8/9位
前日の200mTTとは逆の順番で自分が前からスタート。安田がいい感じに掛け下ろし、交代しようと思ったら空振り。自力で加速して1分5秒6でした。ミスった割りには滅茶苦茶遅いわけではなかったので、交代ミスが悔やまれました。

5×20 madison 100laps 順位:9/9位
chaseから急遽madisonに変更され、距離も短縮されました。スクラッチで脚を使ってしまったのでキツく感じました。今回も何度もラップされました。


3日目
50laps to madison elimination 100laps 順位:9/9位
50周してからマディソンエリミネーションをするというもの。そもそもエリミネーションが始まる前に千切れてしまってたので意味がありませんでした。しかし、毎日少しずつ良くなっているとは思いました。

200m madison TT 順位不明
前回の200mTTと同じく自分が掛け下ろしました。技術不足なので早めに投げて一人で掛け下ろすときと同じようにしようという話でしたが、安田が下に降りるのが少し遅かったのと、自分が突っ込んでいけなかったのが重なって普通の投げ方になってしまいました。タイムも不明です。

point a lap 40laps 順位不明 1p
毎周回先頭通過した人に1ポイントずつ入るポイントレース。madison TTからインターバルが短くて少し脚がキツい状態でスタート。ペースが速いのは予想してましたが、想定よりもずっと速く抜け出すタイミングが見つかりませんでした。前に二人抜け出しているタイミングで少し踏んだら抜け出せたので前の二人を捲って1ポイントゲット。一度集団に戻り後半に備えますが、タイミングが全く掴めず…ラスト数周で一人逃げて、決まると思ったので力尽くで抜け出し、追いかけたが追い付けずその時点でレース終了でした。完全に力不足です。

7×20 madison 140laps 順位:9/9位
20周短縮されて行われたマディソン。point a lapとのインターバルも短くて全く回復せず、吐き気がある状態でスタート。すぐに自分が千切れてしまい、安田に迷惑を掛けてしまいました。しかし、マディソンの技術面では一番まともに出来ていました。


4日目
60laps to 3×20 chase 120laps 順位:9/9位
今回は1回目より酷すぎてなにも言えません。書くこともありません。

1km madison TT 順位不明
前回の1kmTTとは逆に自分が先に掛け下ろしました。交代の時に上手く加速が出来てませんでした。タイム5秒9くらいと交代ミスした一度目より遅いという結果になってしまいました。

25laps to elimination 順位:6/9位?
25周してからエリミネーション。なぜか始まる3周前くらいに抜け出してしまってエリミネーションで逃げるという謎の状態。集団のペースがもっと速いと思っていたのでビビってあまり踏まず、途中で集団に戻りその後にエリミネイトされました。ビビってなかったらもしかして逃げ切って1位になれたかもしれないので、形式にとらわれずにそういうところでチャレンジする気持ちが大切だと思いました。

60laps to 4×20 chase 140laps 順位:9/9位
これがラストレース。最後にはちゃんと形になるようにしようと言っていたことがある程度実現できたと思います。ビリなのは変わらないですが、もっとも楽に且つ楽しく走れたと思います。レース中にもしっかりとコミュニケーションを取れていてすごくいいレースだったと思います。

最後に自分はMussete cafe(大会スポンサー)の人と、安田はドイツチームのMichaelとジャージ交換をして、写真を撮りました。日本にはない人の温かさを感じることが出来ました。



自分は今回が初海外だったのですが、やはり日本と文化の違いがあると思いました。一番感じはのはスクラッチで逃げていたときです。仮に結果が伴わなかったとしても、そのトライに対して評価をしっかりしてくれることです。観客全員が応援してくれて驚きました。日本では評価されないというわけではないですが、そこまでではないと思います。

今回の遠征で様々な課題が浮き彫りになりました。
まずは言語の問題です。
これはレース以前の問題です。自分は過去に英会話教室に通っていたこともあり、リスニングが得意だし、人並みに英語は喋れると自分では思ってました。しかし、現地に行くと聞き取ることも出来ず、全く言葉も出てきませんでした。これは日本の英語の勉強が受験のための英語であり、コミュニケーションをメインとしていないことの問題点だと思います。とはいっても日本の教育システムを批判してもなにもならないので、自分自身で習得していかなければなりません。この課題を克服しない限り、海外のレースに出る資格はないと思いました。
次に、個々の能力についてです。
point a lapの時に特に思いましたが、スピードが他の選手と比べて圧倒的に劣ると思いました。抜け出すタイミングや勝負どころの嗅覚は間違ってはいないと思うので、個々の能力を上げれば対等に戦えるとおもいました。
最後に食事の問題です。
各国によって食事の文化は違います。自分は基本的に朝御飯は米を食べますが、カナダではパンしか出てきません。米があったとしてもタイ米でいつも食べているものとは違います。今回、滞在期間が長めだったので毎日パンを食べるのが飽きてきてしまい、食欲が落ちてしまうことがありました。このようなことはハンガーノックに繋がりますし、食べなければ体も回復しません。どのような食べ物でも適応できるようにしていきたいと思います。


最後に今回このような大会に出場する機会を作ってくださった秋田監督、サポートで来てくださった明石さん、Kelyn,Julian,Selma,Melanieを始め、現地でお世話になった全ての方々に感謝します。ありがとうございました。

今回のレースで2014年シーズンが終わりました。自分にとっては非常に苦しく、我慢の1年でした。同時に自分の弱点が浮き彫りになった1年でもありました。弱点を克服し、今回Burnabyで経験したことを生かして、2015年シーズンは飛躍の年にします。

1回生 樋口