第28回 ツール・ド・北海道 参戦レポート


カテゴリー : UCIアジアツアー クラス2

期間 : 9月12日〜15日(12日受付・監督会議、13〜15日レース)

出場チーム・選手数 : 20チーム 100名


京都産業大学体育会自転車競技部チームメンバー

181 渡邊 誉大

182 安田 京介

183 明石 岳志

184 間瀬 勇毅

185 樋口 峻明

メカニック 谷口 武史 マッサージャー 戸祭 裕介

監督 山岸 正教


大会公式HP URL : http://www.tour-de-hokkaido.or.jp/


9月12日 チーム受付・監督会議


飛行機で新千歳空港へ降り立った選手と先発してフェリーで機材を運んできたサポートメンバーが合流し、4日間の大会が始まった。チーム受付・監督会議のある千歳公民館に向かう。公民館の駐車場で自転車を組み立て選手たちは軽く体を動かしに行く。チーム受付にて正選手の登録を行いライセンスコントロール等受ける。UCIレースという事で通常のJCF国内ライセンスではなくUCI国際ライセンスが必要となる。大会直前に国際ライセンスの発行手続きを急ぎ行っていただいた各選手所属車連とJCFの御担当者の皆様に感謝いたします。


チーム受付は全てスムーズに進み、チームメンバーのIDカードや大会ガイドブック等一式を受け取り監督会議に備える。受付を済ませた各チーム監督並びに大会役員が揃い翌日からのレースに関する注意事項等の説明を受ける。今回のチーフコミッセール(審判長)はマフムード・ジャマルディン(マレーシア)氏が務める事となった。ドーピングコントロールも毎日行われるので選手の薬品接種リストは毎日書類提出が義務付けされる。毎朝、朝食時に戸祭が選手達に確認し書類を作成していた。 監督会議が終わると選手達も練習から帰って来ておりすぐに自転車を積み込み宿泊先へと移動、宿舎ホテルにて自転車の最終整備とナンバープレートとタグを取り付けたりスペアーを含む車輪や補給食の準備に取り掛かった。今回の北海道に持ち込んだのは自転車8台

(予備3台含む)・予備車輪6セット・ボトル30本・予備タイヤ4本それに現地で飲料水とスポーツ飲料等を毎日補充して行く。機材車として持ち込んだレンタカーは荷物で満載である。すべての準備を終え、サポートメンバーが就寝したのは午前12時を回っていた。 9月13日 第1ステージ 194? スタート:千歳市役所駐車場 ゴール:新得町保険福祉センター


宿泊ホテルからスタート地点まで距離がある為、午前6時半に朝食をとり同7時にホテルを出発し千歳市役所を目指す。午前8時に会場に入り、機材を降ろし選手集団後方を走るチームカーに車輪や補給食・ボトル等を準備し積み込む。快晴の天気の元、午前9時より全選手が参加し開会式が行われた。鹿屋体大チームの徳田鍛造選手(U-23全日本チャンピオン)が選手宣誓を行った。午前10時に地元市民の皆さんの声援の中を100名の選手達と20台のチームカーを含む多くの関係車両が共にスタートを切り3日間のステージレースが始まった。


パレード走行が終わり、リアルスタートが切られると細かいアタックが連続してかかり一気に集団の動きは活性化していく。逃げグループが出来ないまま最初のHS(スプリントポイント)地点へと差し掛かる。その後40?地点でようやくメイン集団から5名の逃げが決まり集団の動きが安定、5名の中には今春、京都産大を卒業しプロチームで走っている木村圭佑選手(シマノ)が入っている。 集団の動きが落ち着いた所で、COMカー(審判車)よりコール「185番選手がチームカーを要求」が鳴る。チームカーの隊列を選手集団の後方まで一気に上昇する。185番の樋口がボトルを手にアピール、飲料を求めている合図である。チームカーが上がって来た事を確認し下がってきた樋口にメカニックとしてチームカーに乗り込む谷口がボトルを二本渡す。集団のペースがそれほど上がっていなかったのですぐに集団に復帰していき、それを見届けチームカーを隊列の元の場所まで戻す。 戸祭は機材車を運転し選手一団を先回りし補給地点に向かっている。そこでサコッシュと呼ばれるショルダーバッグにボトル2本(水・スポーツ飲料)ゼリー各種を人数分用意し選手たちが通過する時に手渡すのが彼のレース中の役目である。補給地点には戸祭1名しかいないのでスタート前に選手達には各人が出来るだけ離れてサコッシュを受け取るように指示をだしておく。


83?地点に設定された補給地点を5名全員がメイン集団内で通過。戸祭より全員がサコッシュを受け取っていった事が確認できた。学生レースではサコッシュでの補給はあまり行わないので不安はあったのだが、選手達は思っているよりも落ち着いて走れているようだ。


KOM(山岳ポイント)が設定されている標高約500mの日高峠112?地点へ向けての登りも5名の選手達はメイン集団内でクリアーしていく。後半、逃げ集団とのタイム差が詰まり始めるとメイン集団の動きも再び活発化し始める。新たな逃げ集団が出来、それを追いかける4名の追走集団が出来る。この追走集団に樋口が加わる動きを見せた。その後、メイン集団からも遅れてしまったのだが挑戦者として参加するチームとしては良い経験となったに違いない。残り4選手は集団内でゴールを果たした。 ゴールしてきた選手達は疲れているものの笑顔が見られる。ローラーでクールダウンをしながらも集団ゴールの中でもう少し何か出来たのではないか?といった話をしていた。今回参加している大学チームは4チームあるが、5名全員が完走を果たしたのは京都産大チームだけであった。機材を積み込み宿泊先となる十勝温泉幕別グランヴィリオホテルへと移動し選手達は翌日以降のレースに備え回復に努める。

スタート地点で京都産業大学同窓会北海道支部の皆さんが激励と応援に駆け付けて下さいました。地元の京都から離れた北海道の地で沿道から大学名で応援して頂けた事は大変うれしく選手達にとっても励みになりました。栗葉支部長様そして支部員の皆様、ありがとうございました。

ステージ個人順位 38位 間瀬 47位 明石 59位 渡邊 65位 安田 83位 樋口

チーム総合順位 15位

完走93名

9月14日 第2ステージ 183? スタート:幕別町 ゴール:幕別町

スタート・ゴール地点が宿泊ホテルの駐車場からなので朝が少しゆっくりと出来る。前日よりも朝食をゆっくりととり部屋に戻りレース準備を行う。コースマップ上は3日間で一番高低差が少ないが、海岸線を走る区間や道幅が狭い区間等があり、集団後方に位置していたら集団中切れで遅れてしまう可能性がある事を選手達と話す。午前9時半に93名の選手がスタートをして行く。昨日、補給にはゼリー類を準備していたが、腹持ちの良い固形物も欲しいとの事でサコッシュの中身を調整し準備する。 レース序盤のKOMの登り口でCOMカーよりコール「181番が前輪パンク」、チームカーを上げ181番渡邊を探す。運よくニュートラルカー(共通機材車)が近くにいたようでチームカーが渡邊を見つけた時には前輪を交換し再スタートを切った所であった。渡邊の横までチームカーを上げ落ち着きながら集団復帰するように告げる。何とかチームカーの隊列

内であったので風除けとしてチームカーを使いながらKOM過ぎの下りで集団復帰していった。登りがキツイコースでなくて良かった。補給地点で渡邊を除く4選手がサコッシュを受け取っていったと戸祭から報告を受ける。渡邊分のサコッシュをチームカーに受取り集団を追いかける。渡邊は先のインカレロードで落車した際に左腕を強打しまだ痺れが残っているようだ。コースの細かな段差が響き腕に力が入らなくなっていったとレース後に話していた。補給を取る事が出来なかったが集団内で他の選手から補給を分けてもらいハンガーノックにならずに走りきる事が出来た。 この日はレース後半に決まった逃げ集団が最後まで逃げ切る展開、メイン集団も追走したもののわずかの差で捉える事が出来ずにゴールする事となった。後半のペースアップ時に樋口・安田がメイン集団から遅れてしまった。コールされる事はなかったが、集団の中で展開に絡むように動き足を使っていた模様。他チームの選手からも頑張って動いていたとの話を聞き安心する。メイン集団の中で間瀬が学生選手の中でトップとなる36位でゴールし明石、渡邊も集団内ゴールを果たした。


渡邊がかなり疲れている様子。この日はレース後の移動もないのでレース後はすぐに休養する事が出来た。 ステージ個人順位 36位 間瀬 48位 明石 58位 渡邊 65位 安田 77位 樋口

個人総合順位

36位 間瀬 45位 明石 52位 渡邊 67位 安田 77位 樋口

チーム総合順位 11位

完走92名



9月15日 第3ステージ 166? スタート:帯広競馬場駐車場 ゴール: 音更町希望が丘運動公園


最終ステージ、5名の選手全員が脱落する事なく走っている。また学生4チームの中で個人・チーム総合共にトップに付けている。正直、ここまでの走りを予想はしていなかった。スタート前に選手全員を集めて、個人とチームの総合順位を一つでも上に上げれるように頑張ろうとだけ伝えて選手達を見送った。形として残る順位を残す事は競技以外の対外的な面でとても重要な事であると感じる。 リアルスタート直後のアタック合戦では安田も動きを見せていたようだ。インカレでは調整ミスでリタイアに追い込まれていた彼であるが、北海道入りしてすぐに「調子良いです」と口にしていた。ドンドン積極的に動き力を付けて行って貰いたい。登りもコースマップ

で見るほどは勾配もきつくなく5名の選手たちは集団の中で走り続けている。途中で2回樋口からボトルを求められてチームカーを上げた以外はこれといった動きはなかった。補給地点では3名ほど補給を取らなかったと戸祭から報告を受ける。距離が短くなってきている事と、連日のレースでおよそのエネルギー消費量が把握出来てきて補給を追加しなくても大丈夫なようになってきていたのかもしれない。渡邊が前日よりしんどいとアピールしているので彼が登りやスピードアップ時に脱落してしまうのではないかと不安であったが、何とか乗り切り無事に集団でゴールを果たしてくれた。残り3キロ地点で樋口がアタックをかけていたとレース後に他チームの選手から聞いた。


最終的に集団でのゴールスプリントとなり、間瀬が連日チーム内トップでゴールを果たし、個人総合順位を27位に上げる事ができた。チーム総合順位は11位のままでベスト10入りは出来なかったが、5名全員がシッカリと完走を果たしてくれた事はチームとして満足するものです。3日間のステージを落車なく無事に走りきれた今回の成績はこれからのクラブ活動にとって大きな財産になると感じます。


3日間のレースを終え、表彰式並びに閉会式が行われました。表彰の対象に入る事は無かったのですが、こういった大きなレースでチャレンジをさせて頂けた事は学生にとって非常にありがたい事であると共に、ここで得た経験を学連のレースにシッカリとフィードバックし学生競技レベル向上の為にも積極的な走りをしていかないといけないと強く感じました。


学生チームの出場枠を用意して頂いた主催者並びに学連関係者の皆様に感謝いたします。また、京都産大同窓会はじめ体育会自転車競技部OB・OGの皆様、保護者の皆様並びに応援して頂いた皆様、暖かいご支援とご声援に感謝いたします。これからも部員・関係者一同、頑張ってまいりたいと思います。


ステージ個人順位 22位 間瀬 45位 渡邊 54位 明石 65位 安田 87位 樋口

個人総合順位

27位 間瀬 45位 明石 47位 渡邊 64位 安田 77位 樋口

チーム総合順位 11位

完走91名



京都産業大学体育会自転車競技

コーチ 山岸 正教

平成26年9月17日