2013JAPAN CUP サイクルロードレース 

レースレポート                   
吉岡直哉

     

10月19日 (土) 曇り

日本で行われる最大規模のワンデーレースである、このジャパンカップに今回、浅田顕監督に推薦していただき、ナショナルチームの一員として出場させて頂きました。
はじめてジャパンカップを見たのは一回生の頃でクリテリウムに木守さんと木村と自分で見に行き、その観客数、盛り上がりに度肝を抜かれました。
そして、「いつかはここで…」と。

そして、今回出場させて頂けることになり、とても嬉しかったですが、結果を出すことが大前提でむしろ結果を残すことができなければ、自分は…と、不安にかられ、少しの間不眠症に近い症状が出たりと…とにかく不安でいっぱいでした。

しかし練習はしっかり追い込め、パワー数値も悪くない数値が出ていました。登りTTも過去最速、インターバルもやった。だから大丈夫と自分に言い聞かせ、当日までは余計な事を考えないように、集中して過ごしました。


クリテリウム当日。
オーダーとしては、次の日のロードのため、落車などのトラブルを起こさないように無理に上位は狙わない。行ける場合はGoということでしたが、集団の後ろにいる意味もないので、前にいくことに。しかし自分が予想していたよりもペースは速く、また、前になかなかいけずにかなりキツイ状態になっていました。
ラスト1周。上手く上がれたら少し後ろからでももがくことを決意。しかし思うようにあがれず、自分はまだコーナーに入ってもいないのに先頭はもがきだしていたため、そのままもがけずにゴール。
明日こそは、明日こそは…と心のなかで唱えながらサポートカーに帰った。


10月20日 (日) ジャパンカップ 

ロードレース当日
ロードレースは本当に過酷な競技である。
天候、観客の応援、様々な影響を受けレースは進む。
今回のこのJAPAN CUP は一生忘れる事はないと思う。
これほどに過酷な一日になるとは今回想像していませんでした。
天候は雨。前日に行われるオープンレースには二年前から参加していますが、完走したことすらなく、しかも雨。古賀志の下りのことはなるべく考えず、アップし、補給食を背中につめ、スタートラインへ。
自分の仕事は、UCIプロチームが4チーム以上入った逃げや追走ができたらそれに入る事。エースとして走る黒枝選手、寺崎選手のために少しでも有利に走れるようすることであった。
チームとしてはあくまでも成績を出すことのみを考え、6位以上目標、悪くても15位以内に入りUCIポイントをとること。というものが大前提にあり、そのために全力で動くように走った。

スタートしてすぐ、山岳賞狙いの逃げができる。山岳賞を狙っていないため、UCIプロチームのみをマークする。そして、追走に一旦UCIプロ3チームが一人ずつ飛び出し、すかさず後ろにつくが、すぐに3人は追走をやめてしまい、一緒に集団まで下がった。
それからは、UCIプロチームのコントロールがはじまり、差が極端に開くことも縮まることもなく凍えながら周回を重ねていった。 古賀志では気温9度で息まで見え、夏用インナープラスアームウォーマーのみでは耐え難い寒さであった。
スタート直後は雨もそこまできつくなく、気温も凍えるほどの寒さではなかったため、薄着で出た選手が多数いた。自分もその一人で、レインジャケットもなかった事は深く反省すべき点であった。が、これは本当に寒すぎた。 雨足は強くなる一方でコースでは所々、洪水のような水溜まりができており、天然のUSJジュラシックパークかとか思うようなものであった。そしてふと気づく。寒さでわかりずらいけど調子いいと。
集団はさほどペースアップしていないように感じたが、寒さも重なってか逃げ集団とのタイムさは縮まっていく。
寒さでどんどんからだの感覚がなくなっていく。
寒さで指はすでにほとんど動かず補給食をとるために背中のポケットに腕を伸ばすのがやっとで無理やり動かす。感覚がほとんどなくなった指で補給食のメイタンCCCをとる。ジェリータイプのねじって蓋を開けるタイプではなかった事は良かった。
勝負はラスト2周。2周の古賀志で一気に上がることは目に見えてわかっていたので集中する。 古賀志に入る。今までの雰囲気とは違う。
ペースアップ。すかさずついていくが、古賀志半分ぐらいの地点でちぎれてしまい、頂上で何とか第二集団に追い付き下る。下りきり、走る。
しかし鶴カントリーの登りで、虹色のチカチカするものが眼前に出てきて、力が入らなくなり、脱落。
15位以上という最低条件のためにちぎれることは許されていなかったが、力不足で脱落してしまった。
…本部で数名前に見えたので古賀志で追い付くことだけ考える。古賀志に入り、踏む。すると、またチカチカするものが。あーこれはだいぶいってるなあと思いながらも無理やり踏む。
しかし全然進まず、意識さえ朦朧としてきてしまった。10キロ出てるかくらいで何とか登りきり、やっと下り。
集中しないとこけるあせるなと言い聞かし、下る。スリッピーになった古賀志の下りを下りきり、自分のペースでなるべく速く、走り、ゴールへ。
ラスト1キロで後続のグルペットに吸収され、ゴール。

結果は残せなかった。
今回推薦していただいたのに何も残せなかったのは反省しなければいけないし、自分以外の選ばれていない選手にも申し訳なく思いました。
今回サポートしていただいた、高橋さん、浅田さん、貝塚さん。メカニックとしてサポートしていただいた、高橋さん、マッサーとしてコンディションの調整をして頂いた井上さん、本当にありがとうございました。

秋田監督、チームメイト、現地で応援していただいた皆様に心から感謝します。
ありがとうございました。

4回生 吉岡直哉