広島県サイクルロードレース

5月26日(日)晴れ
メンバー 谷口 鍵本

5月26日、今日は我が地元である広島県でロードの国体予選があった。

本来なら同日に開催される美山ロードレースに出場しなければならなかったが、我儘を言ってこの広島の大会に出場させてもらったので、なんとしても勝たなければ、という思いがあった。


今回のレースは高校生の県大会と同時出走な為、朝の8時という涼しい時間帯にスタートする。

とはいえ、時間帯が早かろうとやる事は同じなのでいつものリズムでアップ。
このレースは一周12.3kmのコースを7周回する、86kmとなる。
自転車を始めてから広島で試合がある度に走ってきたコースなので特徴はつかんでるつもりだが、細かいコーナーが多く、スピードに乗りやすい為、一回逃げを許してしまうと追いにくいコースだ。
そして地元のレースという事もあり、出場しているメンバーは誰がどの戦法を得意としているかある程度把握している。
簡単に纏めると、僕以外全員逃げが得意な選手だ。
そして僕だけスプリンターだ。
そこにいるだけでプレッシャーになるというのはスプリンターの特徴だが、それを逆手にとってある作戦を思いつく。
逃げが得意な選手同志で睨み合ってる所にまさかのスプリンターが率先して逃げていく、正に漁夫の利作戦。
この時に重要なのは、その逃げが得意な選手を何人、引っ張っていけるか。
有力勢を全員集団に残してしまうと共闘されてしまい、逃げが決まりにくくなる為、何人か連れて行く必要がある。
全員の手が読めているからこそ出来そうな気がするこの作戦。
なかなか無いレアな状況だし決行。


試合が始まると、作戦通りに序盤からアタック。
予想通りにすんなり決まる、が有力勢が釣れなかった為、集団に戻る。
カウンターに気をつけながらめいんプロトンに入り、また機会を伺う。
だが、そこで思いもよらぬ出来事が。
なんと一周目の序盤で大きな落車があったらしく、暫くレースが中断する事に。
逃げた意味が無くなってしまった…
救急車やら警察やらドクターヘリやらがワラワラとやってきて、経過する事約2時間版。
大会本部側からレースを再開するが、日程の関係で距離を短縮する事を伝えられる。
その距離なんと三周回。
36kmなんて距離では牽制なんて発生しない為、作戦を変更する。
有力選手Sさんが積極的に動く事は分かっていたので、その人の動きを利用する事にした。
レースが再開され、細かいアタックが続く中、三段坂で予想通りにSさんがアタック。
後ろにピッタリと張り付き一緒に逃げる。
もう一人中学生が付いてきたが着き一だった為、ほぼ二人の逃げ。
出来れば決めたかったが、後ろの集団が活性化し、ゴール手前で捕まる。
二周目に入り、細かいアタックが連発が決まらず、ハイペースが続く。
そして途中で有力勢以外に使えそうな人間を何人かピックアップ。
そして三周目。
相変わらず細かいアタックが続き、三段坂手前、フェンストンネルを抜け丘を超えた直後の下りでアタック。
下りが苦手な選手が四番手にいたのを確認し、コーナーに突っ込んで行く。
下り終えると案の定、中切れを起こして集団が分裂している。
そこで僕を含めた三人で逃げる。
この下りでは大きなタイムギャップはとれないが、5〜10秒稼ぎ、三段坂まで逃げれればそれで良い。
僕は次の動きの為に他の二人に前を牽かせ、足を溜める。
三段坂手前で後ろを見ると、予想通りにほぼ一列で集団が迫って来ていた。
集団前方にSさんがいるのも良く見えた。
それを確認し、三段坂に入る。
すぐに追いつかれるだろうが、そこは想定済みなので慌てない。
むしろ、レース終盤、集団が一列で、集団前方に位置して、逃げを捕まえられるタイミング。
この好条件が揃った状態であのSさんが飛び出して来ない事が逆に想像出来なかった。
そして予想通りにSさんがカウンターを仕掛けてきたが、ギアをかけてすぐに反応する。
三段坂の二段目に行く頃には僕を含めて5人の逃げが確定。
後は裏切りに注意しながらゴールに向かう。
途中、牽制が入り、何人かに追いつかれたが、スプリンターは軒並み排除したので、無問題。
そしてホームストレートに差し掛かり、高校生がもがき始めたのを皮切りに全員がスプリントを開始する。
僕の後ろの人間を確認し、高校生をまくってゴール。




途中、無駄な動きが多く、体力を使ってしまった。
次からはもっとスマートな試合展開をしたい。


京都産業大学三回生 鍵本大地