カリフォルニアより

3月24日(日)晴れ
メンバー 中村さん 谷口 鍵本
鍵本 9位
谷口 DNP

本日はRegalad Road Raceに出場した。
出走は朝の8時と早い為、移動時間から逆算して5時半に出発する。
まだ朝は寒く、身が引き締まるように感じた。
約2時間車で移動し、会場に着いた。
お気づきかもしれないが、既に時間がない。
急いで受付を済まし、準備に取り掛かる。
ゼッケンを付けたり、ドリンクを作るともうスタートの10分前。仕方ないので駐車場前の道で脚を回してアップをする。
選手が集まって来たので後ろに並び、レーススタート。

このレースはパレードスタートを7km程した後に一周30kmのコースに出る。
そしてそのコースを4周してゴールとなる。
パレードスタートで7km程走ると、コースに合流したので審判に一旦止められる。いくつかの諸注意を受け、いよいよレーススタート。
いきなりアタックが来ても良いように前に陣取る。が、まさかのここでトイレタイム。集団の半分以上がトイレし始める。
再スタートした後も緊張感なくMikes Bikesというチームが前で談笑しながら牽引する。僕は前で構えながら後ろを警戒する。
その時、STRAVAの選手が話しかけてくる。
このSTRAVAの選手は以前のレースでよく逃げていたので何となく覚えていた。
でも大して面識はない筈なんだけど、と思いながら適当に話す。一緒に逃げようとか、今日もガンガンいこうぜ的な事を言われ、違和感を覚えた。
この人、愛三の方々と僕らを勘違いしてる?その疑問をぶつけようとした時、この緩いペースに業を煮やしたのか、後ろからアタックがかかる。
僕は好機とばかりに飛びつく。近くにいたSTRAVAの選手も一緒に来る。そしておそらくはSTRAVAの選手をマークしていたであろうMikes Bikesが集団を牽引してくる。
その後も散発的なアタックが続き、その中に僕か谷口かのどちらかが入るようにした。その全てにSTRAVAの選手が反応する。
しかも僕らと同じタイミングで。最初は利用されているだけかと思ったが、一旦見逃した逃げを僕が追った時に反応した時にこの人は僕らを愛三の人と勘違いしてると直感した。
そして僕ら←STRAVA←Mikes Bikesの順でマークしており、結果的に僕らもMikes Bikesにマークされる。
何て事をしてくれたんだ。
その後も散発的なアタックは続くものの全て潰される。少し様子をみる為に集団の中で休んでいた18km地点で事件は起こった。
それまではアスファルトの道が続いていたが、いきなりコーナー開けで砂利道へと華麗なるビフォーアフターを遂げる。
オーバースピードで突っ込んだ谷口(集団の二番手に位置していた)が体勢を崩してしまう。
幸いにも転倒はしなかったが、大きくスピードダウン。集団から遅れてしまう。
僕は谷口より後ろにいたので前の反応を見て何とか対応出来た。急なトルクをかけてはいけないと思い、軽いギアで脚を回す。石でハンドルをとられたりしたが、体の軸をブラさなきゃ大丈夫でしょ、と考えて重心に気をつけながら走る。コーナーでドリフトしながら何とかクリアし、砂利道を抜けると集団は大分小さくなっていた。
バイクテクニックがないひとはここで軒並みいなくなったのだろう。
集団は約20人弱。Mikes Bikes(6人)もSTRAVAも集団に残っている。と、ここでこれまで逃げを潰してきたMikes Bikesが自ら動き出す。
砂利道が終わったばかりで集団が縦に伸びている事を利用して集団前方からアタック。近くにいた僕と数人が反応し、5人で逃げる。
2km程逃げた所で後ろとの差は20秒程。このままいけば、と思っていたが、いきならMikes Bikesが踏むのをやめる。逃げ集団が機能しなくなり、ペースダウン。
後ろを見ると、自分のチームが逃げているにも関わらず、Mikes bikesが集団を引き連れて追ってくる。
何やってんだよと思ったが、機能しなくなった逃げ集団を完全に飲み込むと、また前を牽いてきた選手とは違うMikes Bikesの2人が飛び出す。
カウンターを予測していたので反応出来たが、こいつらが何がしたいか分からない。暫くするとまた踏むのをやめて追いつかれ、また2人が飛び出す。
ここでようやく気付く。まさか有力選手が乗ってこないように逃げ集団をシャッフルしてる?自演乙としか言いようがないが、こちらとしては一人で相手をしなければならないので正直辛い。そしてこのアタックの一つ一つが十分に決まる可能性があるので手に負えない。STRAVAの選手も反応していたが、段々と精彩を欠いていく。
乗らないと逃げられるし、乗ってもわざと潰される。前の2人が踏むのをやめた瞬間にアタックしても2人がかりで潰される。
この2人をちぎる脚がない自分がいけないのだが、数の暴力に苛立ってしまう。6回カウンターに反応したが、7回目のカウンターでちぎられ、三人見送ってしまう。
そこからはMikes Bikesが集団をコントロールし、ペースダウン。それを嫌う選手が散発的にアタックを仕掛けるものの、潰されてしまう。
僕も基本的に前で構えてアタックに乗っていたが、全て潰される。硬直状態になり、暫く走っていると、後ろからカテゴリ3の選手達の集団に抜かれる。
道の端に寄って退避し、カテゴリ3の集団が過ぎさった後に、後ろを見渡すと、明らかにカテゴリ3が来る前より数が少ない。
15人程しかいない集団の3分の1、つまりは5人程いなくなっている。
そしてSTRAVAの姿も。考えられる要因は一つ。あいつらカテゴリ3の集団に紛れやがった。気付いた時にはすでに遅く、前はもう遥か前に行っていた。
なんとか周りの選手を嗾け、ペースアップを計るが曲者を含むためにペースが上がらず、結局8人逃がしてしまった。これはもう前を追い上げるのは不可能と判断し、集団の後方で脚を溜める。まだ前を追い上げようとする選手がアタックをするが、悉く潰されていく。
そうしてアタックを潰す、または乗るを繰り返しながら距離を消化し、結局ゴールスプリントとなった。
ゴールスプリントの最中に2人ほど進路を塞いできたが、一人は肩で弾き飛ばし、反動でもう一人頭で弾き飛ばして道を造り、集団の頭でゴール。最近グルペットの頭しか取ってない気がする。
アメリカ遠征最後のレースだったので、有終の美を飾りたかったが、9位という順位に終わり、悔いが残る結果となってしまった。
今回のアメリカ遠征では、日本では学べない事が多く、自転車選手としてだけではなく、人間的に成長出来たと思う。出来ればその集大成をレースで、と思っていたが、残念な結果となってしまったので、この雪辱は日本に帰って果たそうと思う。
本日は時差ぼけの中、レース会場までの送迎やサポートをしてくださった中村さん、ありがとうございました。そして、この一ヶ月ちょっとの間、お世話になり、本当にありがとうございました。そしてご迷惑を多々おかけしてすいませんでした。
中村さんから聞いた話や、アメリカで学んだ事を、日本にいる部員達にも伝えていこうと思います。

京都産業大学ニ回生 鍵本大地